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本気で参加するレースは車体にとって相当過酷な状態にさらされる。1戦で車体の大半の部品が使えなくなる。まずはエンジンのオーバーホールや足周り等の各部消耗品を換装。ほぼ全部を解体する大掛かりな作業。



今回目玉の一つ、リミテッド・スリップ・デフ(LSD)を搭載。通常、車はカーブの際に内輪差が生じるため左右のタイヤが別々に回転する様に作られている。この回転差を生みだすための部品がデフと呼ばれている。しかし、レースのように高速でカーブに突入すると片輪が浮き空転を生じやすい。通常のデフは片輪が空転するともう片輪は全く回転しない状態に陥る。この間はエンジンパワーの伝達が失われており、すなわちタイムロスにつながる。そこで内輪差を意図的に抑えるための機構が組み込まれたリミテッド・スリップ・デフの登場。ちなみに悪路の脱出等にも有効な部品だが、タイヤの摩耗が激しくなったり低速でのコーナリングでタイヤがキーキー鳴ったりと街乗りにはデメリットもある。


通常のMINIは狭いエンジンルームに全ての部品を納めるためにラジエーターが側面にある。これを高速運転時の冷却効果を高めるため正面位置に据える。通常は正面にラジエーターを据えるスペースが無いため、ボディの一部を切断する大胆な改造が行われた(冷却水給水口まで切除!)。更に電動ファンを撤去し徹底的に軽量化を狙う。MINIはエンジンルーム内の空気が左前輪側から抜ける構造だが、より空冷効果を高めるためにそこも大きく切除。更にボディ軽量化を進める。ここまで大胆な改造でもエンジンルームの強度は落ちないように計算して切除。こうした努力が積み重ねられ、M'sレーシングカーは限り無く進化を続けている。


11月3日。レース当日。出走前にはレース車にも車検があり、パスできなければ出走できない!



出走前の最終チェック。車内も必要最低限かつ効率的な部品以外は全て撤去され、貪欲に軽量化。



いよいよ出走。ピットから出走位置までは手押しで車を移動させる。なんとポールポジション(先頭)をゲット!


2位以降を大きく引き離し、好調なスタートダッシュ。このレースは多様な車種と混在で走行するが、MINIはハンデとして30秒先行で走る。(右端の写真はスタート待機する他車種)





ピットエリア&コースサイド風景。右端の写真はピット内の順位モニターとコースモニター。

レース中にクラッシュした車がコースを塞いでしまったため、セーフティカーが先導中。事故車の撤去が終了するまで順位は固定され、ゆっくり迂回コースを巡回。この間、M'sレーシングカーはラジエーターの電動ファンを撤去している影響でエンジンルーム内の温度が急上昇。オーバーヒートしかねない状況に逸る気持ちを抑えつつ、事故車の撤去が速やかに終わる事を祈る。3週ほどコースを周ったところでレース再開。



ドライバーチェンジの様子。このレースでは同一のドライバーが連続してコースに出られるのは50分間という制限がある。
……続編執筆中。お楽しみに。